おっちゃん

2006.12.19
未―コラム記者ノート

 ここ1年で、やけに体が丸くなった。不規則な生活を続けてきた『つけ』が、表れ始めたようだ。就職前に作ったズボンはもうはけない。もちろん、ウエストがきつくなったからである。 先日ある小学校に取材に行った際、児童に「丹波新聞のおっちゃんや」と言われた。おっちゃん-。まあ、子どもにとって家族以外の大人は、みんな「おっちゃん・おばちゃん」だし、とその場では自分を慰めてみたが、冷静に考えるとやはり「おっちゃん」であろう。素直に受け入れることにした。 13日まで兵庫陶芸美術館で公開製作を行った陶芸作家の鯉江良二さんは、今年で68歳だが、創作について話す際の熱い語り口と、工房を闊歩する姿はエネルギーの塊そのものだった。「なんて元気なおっちゃんなんだ」。著名作家に対してまことに失礼ながら、素直にそう感じ、憧れた。 いつだったか、ビートたけしが自分のでっぷりとした腹を指し「この腹になるまで、何億円かかったか」とギャグを飛ばしていた。何億は無理でも、豊かな人生は詰め込んでやりたいな。そう思いながら、やや余ったお腹をさすっている。(古西広祐)

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