病院問題に道筋を

2006.12.19
未―コラム記者ノート

 合併後初の市長として2期8年、新市の土台づくりを担った瀬戸亀男篠山市長が引退を表明した。議会表明後の記者会見では、「ホッとしている気持ちもある」と穏やかな表情を浮かべ、「引退後は農に帰りたい」とも話された。 任期は4月26日までなので、残り4カ月あまりということになる。年が明ければ、来年度予算の編成が詰めを迎え、あっという間に3月議会が来るだろう。市政を締めくくるのに、実質的に残された時間はわずかだ。 気がかりなのは、市の中核病院と位置付ける兵庫医大篠山病院の存続問題だ。「任期中にこれだけはという課題は」と尋ねたが、挙がってこなかった。「病院問題は」と再度尋ねると、「もろもろの状況があるので、これからの動きの中で判断していかなければならない」という答え。「任期中に何としても解決する」という言葉は出なかった。 瀬戸市長は10年前、当時の篠山町長として医大病院の誘致に力を注がれたはず。財政状況や医大の意向も絡み、難しい局面であることは分かっているが、市民の命と健康を守るため、引退までに「これだけは」道筋をつけてもらえないだろうか。(徳舛 純)

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