ちょっといい話

2007.02.01
未―コラム記者ノート

 90歳を超えた長寿のお年寄りを2人取材した。お1人はダルマ絵の個展を開催した92歳の荻野一夫さん、もうお一人は自作の俳句集を自費出版した95歳の余田静江さん、ともに市島町に住んでおられる。 明治生まれのお2人だが、取材した趣味を始められたのは老齢を迎えてから。余田さんが俳句を習い始めたのは70歳後半。荻野さんは80歳から絵を描き始めたとのことだった。スタートは遅かったものの、余田さんは今回の句集が3冊目、荻野さんは2度目の個展である。活発な創作意欲に頭が下がる。 「90歳を超えた私が個展を開くことで、他の高齢の人の励みになれば」と荻野さん。人生の大先輩の活躍は若者にとっても充分な刺激だ。お2人とも、これからも創作を続け、作品に触れた人を元気づけてほしい。 次は、今年で25回目という“長寿”の大会、青垣町の「もみじマラソン」の話。前夜の記念式典で、来賓がこんなエピソードを紹介した。 大会初期、前日に大雨が降るたび町民センターの前にテルテル坊主が吊されていた。聞くと、作ったのは一般の住民だという。「晴天で参加者を迎えたい、という思いからだったそうです」。大会が長く続いてきた、理由の一端を見た思いだった。 寒くなり、心も冷えがちなこの季節。ほんわか温かい話題を。(古西広祐)

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