もてなしの心

2007.02.01
未―コラム記者ノート

 篠山ナマステ会のネパールスタディーツアーに同行取材させてもらった。わずか一週間余りの期間だったが、普通の観光旅行ならおおよそ体験できないようなことばかり。可能な限りいろいろなことを吸収しようと、取材に関係あるなしを問わずにがめつく動き回ってきた。 旅の楽しみはたくさんあるが、その一つが食事ではないだろうか。ネパール料理はダルバート・タルカリと呼ばれるご飯、マメのスープ、野菜のカレーが基本。味付けはシンプルで、裕福な家庭でも肉を食べるのは週に1、2度ほど。日本人の食事に比べればとても質素だ。 だが、現地での食事はとてもすばらしいものだった。たびたびPHD研修生の家へ招待してもらったのだが、どの家でも鶏、羊、水牛などの肉料理を用意している。また、客である私たちが食べている間は、子どもから大人まで家族みんなで見守り、「もういっぱいです」と断るまでおかわりを勧めてくれた。 そういう家の人の気持ちと笑顔が、最高の調味料になったのだと思う。研修生はある程度日本語ができるが、日本語も英語もできない研修生の家族からも、歓迎してくれているというあたたかな心遣いが伝わってくる。「言葉は通じなくても気持ちは通じる」ということが身にしみた。もう一度訪れたい、そう思わせる国だった。(坂本守啓)

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