丸がり

2007.02.01
未―コラム記者ノート

 気分転換に、頭をツルリと丸く刈り込んだ。取材に回っていると、出会う人たちのリアクションが楽しい。あからさまに大笑いする人、「悪いことでもしたんか」と遠くからわざわざ冷やかしに来る人、笑っては失礼と思ってもらったのか、表情がひきつっている人もいる。どうぞ、気にせず笑ってください。 「今は涼しいやろけど、夏は暑いぞ。日差しが地肌にくるからな」とアドバイスしてくれた、お寺の住職もいた。「忙しい頭になったな」と言った人もいた。「忙しくしていても手入れが簡単」という意味なのだろうと勝手に解釈している。おもしろい表現の仕方があるものだ。 最初はよく「何でそんな頭にしたん」と聞かれたが、特別な理由もないので、適当なことを言って笑いのネタにしていた。妙なもので、いろいろと聞かれると答えるのがめんどうくさいくせに、何も聞かれないのも少し、さみしい。人と出会う仕事柄、話の“つかみ”になったり、出会った人の表情が少し和らぐだけでも、この頭は大健闘だ。 「中学や高校の運動部」「反省の印」というイメージがあったが、最近、サッカー選手やお笑い芸人、俳優などで丸刈りにしている人は多い。彼らのようにかっこよくはいかないが、気分だけでも軽やかにいきたいものだ。不思議とそう思わせる、春が来た。早いもので、もう4月。       (芦田安生)

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