「合併に夢を持っている訳ではない。が、このままでは今よりよくなることはない」|。住民投票を求める「合併を考える郡民の会」との懇談で町長は「合併は必要」との認識を示した。 町長が合併に意欲的な発言をしたからといって、その方向で事が進むとは限らない。が、町長の意向が明らかになったことで、これから少しは住民の間でも合併論議が盛り上がるのではないだろうか。なぜ、「合併」なのか―。「財政見通しが立たない。しかも地方分権が進む」と懇談で答えていた。氷上郡六町は程度の差はあるが、歳入の多くを国からの補助金に頼っている。この補助金は減る事が予想されている。懐は苦しくなる。自前で歳入を増やそうにも、少子高齢化でバリバリ働く人の数は減る傾向にあり、税収が増える見込みは薄い。さらに、地方分権で、これまで国や県でやっていた仕事が町へ回って来る。 仮に合併しても、人口が急激に増えるはずがなく、財政の国への依存状態から脱却できるわけではない。だから「バラ色ではない。夢を持っている訳ではない」といった本音が出てくる。 合併してもしなくても、先行きは厳しい。結局、どちらが「マシ」かを本音で語り合うことが合併論議の本質ではないだろうか。みなさんの選択はどちらでしょうか? (足立智和)