頭骨発見

2007.07.02
未―コラム記者ノート

 随分期待されていたが、まさかこんなに早く出てくるとは。人と自然の博物館が行った会見で、丹波竜の頭骨の一部が確認されたことが明らかになった。 頭の骨と断定した三枝研究員は、化石のクリーニング作業を行っていたアルバイトから報告を受けたとき、「まさか」と思ったそうだ。今まで一度も恐竜の化石が出てこなかった場所から、一番もろい頭骨が出てくるわけがない、と文献を調査するなどして悩んだ末に結論づけた。 日本での竜脚類の頭骨発見は初。さらに岩盤ごと持ち出された化石だが、そのクリーニング作業は全体の1%も完了していないそうだ。頭骨はおろか、このほかの部位の骨が出てくる可能性は極めて高い。そうなると世界的にも珍しいケースになる。 三枝さんは「宝くじを初めて買った人が、いきなり1等を当てたようなもの」とたとえていたが、そのひと言で喜びのほどがうかがえる。 しかし、舞い上がっているだけではない。「うれしいことだが、さらに慎重に作業を進めないと」と何度も強調していた。期待しつつ、次の発見を待ちたい。(西澤健太郎)

関連記事