篠山市議会が、来年4月の改選を見据え、議員定数について議会運営委員会(8人)で検討している。昨年秋に「現行のまま22人」の申し合わせをしたそうだが、2月に就任した酒井市長が厳しい財政見通しを出したことや、市長自身が「給与2割、ボーナス3割カット」を行ったことを受けての再検討だ。 と聞けば、方向は「削減」へ向かいそうだが、そうではない。三重県内2市への研修、大学教授の講演による研修会を終えても、ほぼ全員が「現状維持」の意見だ。 「地方分権や財政をしっかり議論するには、数が必要」。大事な意見だと思う。議員1人あたりの年間経費は約600万円。「数人減らしても財政が良くなるわけではない」。その通りだろう。しかし逆に「議員が20人になったら具体的にどんな支障が出るのか」という議論はまだされていない。 市は、執行者と自由に懇談する場や、委員を公募した「篠山再生市民会議」をスタートさせ、情報公開と意見聴取をどんどん進めている。議会の姿勢や熱意が伝わらなければ、市民代表でありながら市民から冷ややかな目で見られることになりかねない。(徳舛 純)