県立柏原、柏原赤十字とも医師招へいが進まない。最大の医師供給源の大学医局から冷遇されている。存続交渉中の篠山病院も、本体の兵庫医大が病院撤退を決めるかもしれない。篠山病院は兵庫医大に、県立柏原は神戸大に、生殺与奪を握られている。 「地元の大切な病院が、そんな仕打ちを受けるはずがない」と思いたい人もいるかもしれないが、残念ながら、大学医局や都会の医師がより大切だと思う病院と、住民にとって大切な病院は、イコールでない。優先順位が違う。 本当に残念だが、丹波は、医師が勤務したがらない不人気地域だという現実を真しに受け止めよう。そして、その認識の元で、前向きに行こう。行政や病院は、待遇改善、病院の魅力づくりの努力を。住民は、正しく病状を知り、適切な受診を心がけ、医師に敬意を払う「いい患者」になる努力をしよう。「丹波はいなかだけど、働きやすいぞ」、と医師の間で評判になり、全国から医師が集まる地域をめざそう。 まだ「どん底」ではない。明日にも「どん底」に陥る不安材料があるが、首の皮1枚つながっている。大学頼みだけでなく、地域が医師を呼べるようになろう。(足立智和)