競争でなく、協力を

2008.04.03
未―コラム記者ノート

 丹波市の救急医療対策委員会が、一定のまとめを出した。丹波市の委員会は、篠山市が委員会を設けたのを受け、あわてて設置された経緯がある。 救急問題は1市で解決しない。丹波、篠山両市エリアの丹波圏域でも解決しない。しかし、圏域で考え、「足らず」を補う術を、他圏域と考えるのが本筋だ。 2次救急の輪番は2市の5病院で行っている。両市と両市の医療関係者らで作る県の救急委員会もある。それをせず、2市がそれぞれ関係者を集め、オラがまちだけのことを考えるのは、ナンセンスな独善的行為だ。市民受けをねらったポーズにしか映らない。 互いが、互いの殻に閉じこもり、乏しい財源をやり繰りしても、得られる成果はごく小さなものだ。それで、市民に安全や安心を与えることが、本当にできるのだろうか。丹波圏域は、県内で最も小さい医療圏域で、人口はわずか11万人だ。これは、競争すべき問題ではない、協力すべき問題なのだ。両市長も医療関係者も、目をさましてほしい。 丹波市のまとめには、「1市ではどうにもできない」ことが多く綴られているのだから。(足立智和)

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