公と私の信頼感

2008.05.22
未―コラム記者ノート

 兵庫医大篠山病院の存続交渉が、詰めの段階に入っている。医大が求めた7億円の上積みは、県が4・6億、市が2・4億を負担することで、溝が埋まりそうだ。新たに表面化した土地問題、こちらは溝が深そうだ。 土地、建物を一体的に所有したいという医大の主張は、理解できる。市有地を無償で借り、固定資産税が免除されたところで、資産価値が高まらない。一方、市の懸念も分かる。土地、建物を医大が一体所有すると、「売却されるのでは」という不安を抱え込むことになる。 丹波市も、市立春日自動車教習所に入居する事業者を、同じように「市有地無償貸与」方式で公募している。病院と教習所との違いはあるが、市の願いは、「将来も継続して、事業を行ってほしい」「できれば市が関与する余地を残しておきたい」だ。 行政が、「私企業」をどこまで信用できるか、「私企業」がどこまで行政の期待に応えようと努力するのか。互いに相手を信頼できるか、できないか。おそらく最後だろう「宿題」は、見極めが難しい。 (足立智和)

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