身の丈に合わせ最適化を

2008.07.10
未―コラム記者ノート

 6日放送のNHK教育テレビ、ETV特集「医療再生地域力を集結せよ」で、丹波市と千葉県東金市の取り組みが紹介された。番組の中で平井愛山・千葉県立東金病院長はこう言った。「ニーズに合わせ、地域医療を作り直す」「身の丈に合った医療を再生する」。これができない地域の医療は、壊滅する。 県立柏原と柏原赤十字。2病院を去った医師は30人を超え、病院1つ分に相当する。2病院のベッド数約470のうち、実働は140床くらいだ。日赤1つ分のベッドがあれば、事足りる。 病院統合は難しい、とされる。市立病院どうしの場合、「オラが街にほしい」「不便になる」という声が、本質をかき消す。丹波市には、他地域で統合を阻むこれらの要因がない。身の丈に合った医療を再構築しやすい地域だ。 他地域から医師を集めようとしても、そうは増えない。分散している2病院の医師を1つに集める「地域内での最適化」を考えるべきだ。今より多くの患者を受けられる。辞める人が出ても、問題を先送りをした時に病院を去る医師数の方がより多く、失う診療機能が大きい。(足立智和)

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