もう一つの甲子園

2008.08.21
未―コラム記者ノート

 白球を追う。飛びついた選手のユニフォームは泥まみれだ。見事キャッチし、白い歯がのぞく。真っ黒に日焼けした肌とのコントラストが目にまぶしかった。 今年の全国高校野球は大阪桐蔭が常葉学園菊川を大差で破り、見事制した。が、冒頭の白球を必死に追っていたのは、市島町で開かれていた全国高校女子硬式野球選手権大会に出場していた女子球児たち。男子の野球が全国中継される中、丹波市でも手に汗握る熱闘が繰り広げられていた。 丹波高校連合は、予選で敗れ、決勝リーグ進出はならなかったが、地元代表として、大いに頑張ってくれた。 男子は今年で90回。女子はまだ12回。その差は歴然、競技人口も比べものにならない。全国大会というものの、知名度はまだまだ低い。 女子野球というものを初めて観戦したが、彼女たちの熱のこもったプレーは、男子にも決して引けを取らない。むしろ新鮮で、取材を忘れて応援してしまったほどだ。 彼女たちが活躍する姿を、もっとたくさんの人に見てもらいたい。もうひとつの甲子園もさらに有名になってほしいと思った。  (森田靖久)

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