「どこそこの誰が出る」「あの人は堅い」―。取材で各地を回っていると、こんな声が相次ぎ始めた。 丹波市の市長、市議のダブル選告示まで、約1カ月と迫った。各地では現職、新人が水面下で動き始めている。9月30日には、立候補予定者への選挙説明会が開かれ、いよいよ助走が始まった形だ。 選挙になると、町も職場もどこか浮足立つ。当然だが、情勢の推移、「誰が『勝つ』か『負けるか』」に話題が絞られる。 記者として、初めて真っ向から臨む選挙。立候補予定者と話していると、「勝ち負けだけではない」と強く思う。どの候補者が何を思い、目指し、選挙に臨んでいるか。それに対し、地域はどのような反応をしているのか。紙面を通して、そうした「本質」を町の話題に持っていくことが職務だと感じる。 衆院選も同時期に行われる公算が大きくなっている。どの選挙も、私たちの代表を、そして、将来を決めるとても重要なものだ。 4年に1度の節目。立候補者、有権者はもちろん、私たち新聞社も「本質」を真剣に考えたい。 (森田靖久)