18日で入社して1年を迎える。この1年間を漢字1文字でたとえると激動、激闘、激務の「激」がぴったりだ。 こんなことを記者の立場で告白してよいものかと、いささかためらうが、私は記事原稿を書くスピードがどうにも遅いのである。人と出会って話をするのは好きなので取材は楽しい。しかし、その後に待っている原稿書きを想像するだけで気分が沈んでくる。読者にわずか1分程度で読まれてしまう記事を、なぜ自分は3、4時間も悩みながら書いているのだろうと、むなしさすら感じた時期もあった。「辛い、しんどい」と落ち込んだ日々を何日も過ごした。 しかし、顔見知りの方に「あの記事、おもしろかったわ」とほめていただき、取材をした人から「載せてくれてありがとう」なんてお礼を言われると、再びやる気が湧いてくる。そんな気分の浮き沈みが激しい日々を繰り返した1年間であった。 36歳、駆け出しの記者。ずいぶんと遅いスタートだが、これまでの人生経験を生かした記事が書けるよう目標を立て、充実した2年目としていきたい。 (太治庄三)