丹南中柔道、最後の総体

2009.07.27
未―コラム記者ノート

 先日、丹有総体柔道の取材で、会場の丹南中学校に出向いた。部員不足により今大会で廃部が決まった同校柔道部が気になっていた―。 「死ぬ気で挑んだ」という、橘主将の言うとおり、県大会出場をかけた団体3位決定戦で相手と組み合う丹南中の選手たちからは、ただならぬ気迫が感じ取れた。「相手に合わせとったらアカンやろ!」。試合中、怒号にも似た北村監督の檄が何度も道場に響いた。力が入るのも無理はない。5本勝負で3本先取の団体戦において、挑む丹南中男子柔道部員はたったの3人。2失点から始まる試合では、誰一人として負けは許されないのだ。そんな重圧をはねのけて、橘主将が判定勝ち、続く吉田君も試合開始早々、見事な背負い落としを決め、最後は圓谷君が返し技で1本。県出場を決めたその瞬間、私も思わず「よしっ!」とガッツポーズ。女子柔道部員の2人も団体、個人ともに県大会出場を決めた。 試合後、北村監督が「お前ら歴史を作ったなぁ」と、静かな口調で選手らをねぎらっている姿が印象的だった。この夏、22年の歴史に幕が下りる。 (太治庄三)

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