冷めやらぬ恐竜熱

2009.12.08
未―コラム記者ノート

 「篠山市の篠山層群で国内初の角竜類化石発見」という記事が、先日の新聞紙面を賑わした。昨年6月の国内最古級「ほ乳類化石」に続くビッグニュースとなった。 今回発掘された角竜類の化石は、アーケオケラトプスという、なんだかややこしい名前の恐竜であるが、トリケラトプスの仲間の祖先にあたる。しかしトリケラ―のような巨大な3本角も、後頭部から首の上にまで大きく伸びたフリルもなく、我々素人からするとパッとしない恐竜だが、同種の化石産出国は中国やモンゴルなどに限られていただけに今回の発見の意味は大きい。 さらには、これまでの発掘の成果は、最も化石が詰まっているとされる本丸を現場から切り出す際、その脇から崩れ出たいわゆる余り石からの発見だ。人と自然の博物館に保管されている本丸はいまだ手つかず。研究者によると、本丸を切り出す際、その断面からはすでに何らかの化石が多数見えていたという。「さらなる大きな発見は確実」と静かに語った研究者の口調に、押さえきれぬ興奮を感じた。当分、丹波地域での恐竜熱は冷めそうにもない。     (太治庄三)

関連記事