大西祥男県立柏原病院長の丹波市自治会長会総会での講演を聞いた。自治会長会からの「地域医療を支えるために自分たちができることを」との申し出で始まった院長講演は12回を数えた。6度聞いているが、内容が毎回更新されていて、病院が少しずつ元気を取り戻す様が伝わってくる。 聴衆の期待は、救急の受け入れなり、医師の増員と想像する。が、院長は、風呂敷を広げず、本当の所を話す。「例えば医師が10人1度に増えて一時的に回復したとしよう。病院に魅力が無ければ来ても辞めてしまう。医療が継続できるよう、医師にとって魅力ある病院づくりに取り組む。近道はない。みなさん協力を」と。 毎月行われる研修医との懇談会に院長は同行する。昨年度は大会場で行われていたが、今年4月からは自治会の公民館や小学校区の集会所のような小さな所に場所を移し、よりアットホームな雰囲気で開かれている。あなたのまちで、年に2度は講演会がある。近くで開かれる際にはぜひ聞いてもらいたい。質問があればなおいい。聞くこと、たずねることが、協力の一歩だから。 (足立智和)