柏原高校が、高校野球兵庫大会で17年ぶりに4回戦に進出し、明石球場へ取材に行くことになった時のこと。「母校を取材して応援できてうらやましいな」と、大阪出身の社内の人から言われた。柏原高校を担当しているが、そんな風に思ったことはなかったので、「そうか、幸せなことなのかも」と気が付いた。 4回戦で柏原は北須磨と対戦し、惜しくも1―5で敗れた。ベスト16入りはならなかったが、拍手をおくりたい気持ちでいっぱいだった。 3年生は20人いたが、ベンチ(18人)に入れたのは16人。試合終了後のミーティングでは、スタンドで応援していた3年生がまず、胴上げされた。厳しい世界なので、3年間がんばっても試合に出られない選手ができてしまうが、全員でチームなんだという意志が伝わってきて感動した。ふと、ワールドカップの日本代表が、ハーフタイムにベンチやスタッフ含めて全員で円陣を組んでいた姿を思い出した。 ところで柏原は、歴史の中で唯一センバツに出場してから、来年で50年の節目だそうだ。ぜひ、今年果たせなかった「ベスト16」を突破してほしい。 (古西 純)