温かい職場

2011.04.23
未―コラム記者ノート

 篠山養護学校卒の荒木美穂さんが働く「本家かまどや氷上店」に取材に行ったところ、荒木さんのほかに、3人の同僚の障がい者を紹介された。「Aさんは(知的障害の程度)B1やったかな?僕は(精神障害者手帳の)3級」と、自己紹介されるまで、障がいの有無に気づかなかった。
 同店の十倉真美マネージャーによると、たまたま頼まれて採用した荒木さんの働きぶりに安心し、人数を増やしたのだとか。障がい者も健常者も間違うのは同じところだそう。荒木さんがチャンスをものにしたことで、他の人にも門戸が広がった。
 一般就労で、アルバイトの時間給に健常者との差はなく、週30時間勤務の荒木さんは月10万円近く収入がある。部屋代や携帯電話料金を払い、買いたい物を買う。自立した社会生活が送れている。「自立した生活をさせたい」は、雇っている側の願いでもある。
 スタッフは明るく、元気だった。「養護学校を出た女性がもうすぐ勤続1年になるので、彼女の励みになるよう取り上げてやってもらえませんか」と、連絡をくれたのは店長。職場の温かな雰囲気の一端が感じられた。(足立智和)
 

関連記事