大勢の人の前で話したことのない私に、ひょんなことから講演依頼が相次いだ。
5月27日は篠山東中学校で「アジア最貧国・バングラデシュについて」、翌28日は成美大学で「東日本大震災について」。ともに体験ルポを記事にしたことがきっかけだった。
講演会―。学生のころ、「はよ終わらんかいな」としかめっ面を浮かべたこともあった。その演台に今、私が立っている。ごめんなさい。これまで講演してくださった先生たちに陳謝したい。
震える手でパソコンを使い、スクリーンに写真を映す。その一枚一枚を撮影した時の様子を思い出しながら、言葉を紡いでいく。
不思議なもので、みな、時に真剣に、時に笑いながら話を聴いてくれた。とてもできた人たちで、質問までくれた。
そして、あらためて気がついた。記事でも講演でも「伝えること」は同じ。いかにわかりやすくするかが問題だ。
両テーマとも、今後も向き合っていかなければならない課題。よりたくさんの人に伝えるために、ペンだけでなく、口を動かす練習もしなければ。(森田靖久)