手入れをしてきたマツ林から、ついにマツタケが出た―。県立ささやまの森公園(篠山市川原)で7年前から、マツタケ復活のロマンを追い求め、活動してきたボランティアたちの苦労がようやく報われた。
同公園は、私が4年前まで勤務していた古巣。よってこの吉報に思わず小躍りした。公園勤務時代、「マツタケの一大産地であったこの公園の山にもう一度、マツタケを復活させてみよう」というプロジェクトが立ち上がり、同公園ボランティア有志20数人で「マツタケ施業班」を結成した。メンバーたちは、林床に日陰をつくる常緑樹を中心に伐採を行い、地表に積もった落ち葉を除去するなど、マツタケの好む環境づくりに汗水を流してきた。
「今回の好結果を踏まえ、以前マツタケ山であった素質のある場所であれば、人が手を加えることでマツタケ再生が可能という証明になった。今後の我々の活動にも弾みがついた」と目を輝かせるメンバーの平均年齢は70歳を超える。モーレツ世代と呼ばれ、日本の高度経済成長を支えた人たちは、第二の人生も実にパワフル。今後の展開にも注目したい。(太治庄三)