県立柏原病院の整形外科、泌尿器科が4月から増員される。一時期、入院可能な診療科が、内科、外科、産婦人科、小児科の4科まで縮小していたことを思えば、昨年常勤医が戻った眼科に続く今回の増員で、「外科系回復」の印象を強くする。一方で内科医が増えないことと病院運営を担うベテラン医師の不足、休床ベッドの再稼働へ看護師を集められるのか、悩みは続く。
内科医はピーク時の半数の7人。柏原病院の崩壊が、多忙を極めた内科医師の大量離脱から始まったことを思えば、内科医が増え「背骨」がしっかりしないことには、「安定した」とは言えない。また、不在の副院長に4月から新しい人材を迎えないと、推進力が出ない。内科のベテラン医師が最適任と考えるが、勤務医は「上」ほど人数が少なく、現在の勤務先で重要な役割を担っているのが通常なので、招へいの障壁が高い。
そして看護師。ベッドを再稼働させたいところだが、医師数に見合うだけの看護師を県人事で集められるのかどうか。神戸大の協力で少しずつ診療機能が戻りつつあるが、「安定」とまでは、まだまだいかない。(足立智和)