田畑ではヒバリが高らかに鳴きながら舞い上がり、夜には裏山でフクロウの雌雄が繁殖のために鳴き交わして愛をささやき合っている。木々の梢に目をやると、まだかたく閉じてはいるが、つぼみがぷっくりと膨れ、春の芽吹きの準備を整えている―。
もうすぐ春ですねえ~。と、大半の皆さんは、ほっこりとした気持ちになるだろう。しかし我々花粉症持ちの人間には、憂鬱な季節の始まり以外の何ものでもない。数日前から、目やのどに渇きを覚え、鼻がむずがゆい。いよいよ戦闘開始というわけか…。
ため息をつきながら某新聞を読んでいると、「花粉症の救世主に、ダチョウの卵」という内容の記事が載っていた。記事によると、ダチョウの卵からスギやヒノキの花粉によるアレルギーを抑える抗体を取り出すことに京都府立大のチームが成功したという。この効果を生かしたマスクとエアコンフィルターが今月中に発売されるとのこと。わらにもすがりたい気持ち。早速買い求めることにしよう。
花粉症歴12年。ああ、もう一度、春の到来をやさしい気持ちで迎えたい。(太治庄三)