卒業・入学のシーズンがやってきた。我が娘、息子も新しい門出を迎える。娘は小学生となり、息子は幼稚園に入園する。ふと、2年前の娘の入園式を思い出した―。
娘はじっとしていられない子で、「どうなることやら」とヒヤヒヤしながら式典を見守っていたら、案の定、園長先生のあいさつの途中に何を思ったのか、でんぐり返しをしようとするではないか。ちょうどこの頃、前転ができるようになった娘は、我が家で布団の上を何度も得意げに前転し、有頂天になっていた。入園式という状況にあっても、前転ができる喜びに心を奪われてしまったのか。妻と二人で焦ったが、なんとかでんぐり返しの仕草だけで済み、事なきを得た。そんな娘が、はや小学生に。改めて時の流れの速さを実感する。
先日、母親に「あいつ(娘)、今度こそ入学式、大丈夫やろか」とぼやいてみた。すると、母親が一言、「あんたも、たいがいやったで」。なんでも、造園業をしていた父親の格好をまねて、年中、首にタオルを引っ掛け、通園していたそうだ。うーむ、娘の“天然ボケ”ぶりは、まさか私譲りだったとは…。(太治庄三)