看専存続の道ないのか

2012.04.07
未―コラム記者ノート

 先日、県会の委員会が、政務調査で県立柏原病院を訪れた。「なぜこの看護師不足の時期に柏原看護専門学校を閉めるのだ」と質問が相次いだという。丹波の住民のみならず、「奇異」に感じる県会議員もいるようだ。
 県病院局は、丹波市議会議長との面談の際、「県本体からの行革圧力」を閉校理由の1つにあげた。看護学校の運営費は、実質、県本体が負担している。他に経費節減余地がないと考えた病院局が、もらった金で運営している看専を行革に供した側面がある。
 医療は人材集積産業だ。病院は、看護師を多く集めるほど、診療報酬が高くなる仕組みになっている。県病院局は、奨学金で看護師の確保は可能としているが、学校を自前で持った方が奨学金が生きる。県立病院で唯一山の中にある県立柏原は、看専閉校で今以上に看護師確保が困難になる。 ささやま医療センターも看護師不足で休床を余儀なくされている。県丸抱えでなくとも、丹波、篠山両市と行政一部事務組合を作り学校運営ができないのか。民間に受け皿を求められないのか。県病院局は、今年度から柏原看専の募集を停止する。(足立智和)

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