先日、私の集落の30、40歳代の父親が、飲み会を通じて親睦を深める「お父さん会」というものに参加した。今春、娘が小学校に入学、息子が幼稚園に入園したことから、集落の先輩から「来ないか」と声を掛けていただき、初の参加となった。集落の公民館に10数人が集まった「お父さん会」。同世代で、しかも父親という同じ立場でもあり、酒の勢いも手伝って大いに盛り上がり、途切れることのない会話は深夜まで続いた。
高校卒業後、すぐに阪神間に出て、サラリーマン生活を送り、その後、転職して帰郷。しかし、土日祝日が稼ぎ時という仕事に就いたこともあって、消防団に入ることもなく、村行事に参加することもできず、大人になってからは、地域に溶け込めていないという感覚を抱きながら過ごしてきた。
この飲み会を通じて、子どもの頃のように、同世代とたわいもない話で笑い合い、楽しいひと時を共有できたことで、少し大げさかもしれないが、再び集落の一員になれたような気がした。
翌朝は毎度の二日酔い。こみ上げる苦しみの中にも充実感があった。(太治庄三)