進路に柏原看専を

2012.07.30
未―コラム記者ノート

 県立柏原看護専門学校が、丹波市立という形で存続しそうだ。知事に苦境を伝えた市民の声が、存続の道を開いた。知事の決断も、これ以上遅ければ、取り返しがつかなくなるというギリギリ、絶妙のタイミングだった。
 もともと人口が少ない丹波地域。若者の人口が減る社会では、他の職種同様に看護師のなり手も減っていく。減っていった時に、看専がなくなり、少ない看護師志望者がすべて市外に流出し、地元が干上がることを心配していた。
 できれば、地元の人に柏原看専に入学してほしい。新卒者だけでなく、一度、都市部に出たけれど、思うような職に就けず、再出発しようと思っている人、出産・育児を経て、新たに職を求める人の進路の一候補に加えてほしい。
 地元の医療機関は、就職先として勤務を考慮される環境整備を今のうちに進めることが肝要だろう。
 8月6日にも県と市は、記者会見を開く用意があるという。吉報が届くことはまず、間違いない。ひとまず安堵しながら、看専をどう育て、卒業生を定着させていくか、潜在看護師の復職支援策と合わせて考えたい。(足立智和)
 

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