小学1年生の娘の宿題に、「あのね日記」というのがある。「先生、あのね」という決まり文句で書き出す、先生との交換日記のようなもの。その時の様子や思ったことなどを生き生きと書けるようにするのが狙いなのだろう。
最近、「あのね日記」のテーマが「週末の出来事」であることを知り、少し焦った。というのも、仕事をこなすのが遅い私。休日に持ち越すことも多く、子どもたちをほとんどどこにも連れて行ってやれていないからだ。そこで「何もなかった週末にいったい何を書いているの?」と、恐る恐る日記を開いてみた。
最近のページには、裏山で小一時間、一緒に散歩した時の様子が綴られていた。「おもしろい形のキノコがあって楽しかった」などとある。親バカかもしれないが、それなりにうまく書いていた。また、私からすれば取るに足らない出来事でも、子どもは何かを感じ取り、日々成長しているんだなと、気づかせてくれた。
記者は言葉を扱う仕事。しかし、いつまで経っても未熟な私。文章力アップに始めてみようかな、「あのね日記」。
「編集部長、あのね…」。(太治庄三)