JA丹波ささやまで職員による横領が発覚した。2008年からの4年で4回目。誰もが「またか」という印象だろう。異常事態といっても過言ではない。
なぜ続くのか。罪を犯した職員が本来そのような気質を内包していたのか、それとも入社後、心に変化があったのか。件数を見る限り、後者の可能性が高いとしか思えない。
記者の得た情報によると、職員らには保険の販売などに厳しいノルマが課され、達成できないものは、自腹を切り、中には給与の多くをつぎ込んでいる人もいるという。体制にも犯罪を生み出す素地があると思われる情報だ。
横領した職員に最大の罪があるのは明らかだ。しかし、事案が発生するたび、「再発防止に取り組む」と繰り返し、それを裏切り続けた幹部。今回にいたっては、11月時点で本紙が追及したにもかかわらず、事実を隠した。経営陣にも罪はなかったか。
今年6月に就任した新組合長は、「改革」に前向きと受け取れる。1万人以上の組合員を欺かないために、勇気を持って膿を出し切り、これまでの体制を変える手腕に期待する。(森田靖久)