患者不足の懸念

2013.01.26
未―コラム記者ノート

 医師に看護師、次に足りなくなるのは患者、と言うと怪訝に思われるかもしれない。県立柏原病院と柏原赤十字病院の統合協議が水面下で行われているが、規模を見誤ると、患者不足が現実のものとなる。
 切った張ったの急性期医療を提供する「一般病床」の両病院。丹波市内では大塚病院にある、高齢者を中心に長く患う人が入院する「療養病床」ではない。県立と赤十字を足して現状、250床程度だ。
 市の人口は7万人を割っている。市島、山南地域を中心に患者の市外流出もあり、市の医療圏人口は5万人程度だろう。この人数で何床のベッドを動かせるのか、患者を、症例を集め、病院を「養う」ことが可能なのか、現実的に考えなければならない。
 仮に今以上に「一般病床」を増やすなら、患者不足の回避策が必要だ。患者を市外に求める。篠山、北播磨と南但馬の一部も含め、最低でも10万人以上の医療圏とする。広域から患者が集まりやすい位置に病院を建設する。相応の医師、医療職の増員が必要なことは言うまでもない。
 大箱を作ったが、患者が足りない、では、赤字で医療継続がおぼつかない。(足立智和)
 

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