後継社長塾

2013.02.09
未―コラム記者ノート

 丹波市商工会の後継社長塾の最終回。講師は自社の貸借対照表を「時価修正」するよう強調した。不動産なら、購入時の価格でなく、実際に売るとしたらいくらの値がつくか、の実勢価格、売掛金なら、回収の見込みがないものは資産から差っ引く、といった作業だ。これで真実の姿が見える、と。
 「銀行は時価修正して(数字を見て)いる。その会社がつぶれると知っていても、後継者が連帯保証人になるなら金を貸す。会社がつぶれても、後継者個人が返す。だから、貸す」。空気が張り詰めた。
 こういった濃密な講義が、1回3時間、3回行われた。定員20人を上回る29人の申し込みがあり、初回の講義が評判になり、2回目から「番外席」で聴講する人もあった。
 会社は生き物で、生き物のことをよく知らないと、承継しても死なせてしまう。自社の価値、強みを本気で探り、会社の財務内容を完璧に把握する。後継者でいる内にやらなければいけないことが明確になったとの感想が多かった。社長任せでなく、自分がやらなければ、との意を強くした後継社長の顔つきが、講義前より精悍に見えた。(足立智和)
 

関連記事