久しぶりに仲間が集まった。酒を酌み交わし、昔話に花を咲かせる。昔と言ってもたった2年前だけれど。
東日本大震災の発生を受け、篠山市社会福祉協議会が被災地に派遣している市民ボランティアバス。先日、その第1便有志で“同窓会”を開いた。
バスに乗った20人中11人の話題はすぐにあの日へ。「水を6リットル持って行った」「トイレが使えないと思ってオムツの準備もしていた」。震災発生から2カ月後ということもあって、正しい情報が得られず、不必要なものを持って行ったことを思い出す。
被災家屋での泥出し作業でふらふらになり、泥だらけの服での車中泊もあったっけ。 つり橋効果というのをご存知だろうか。つり橋を男女が共に渡ると、恐怖のドキドキと恋愛のドキドキを勘違いし、恋に落ちるというものだ。
赤い顔をしたおっちゃんたちに恋はまったくしていないが、過酷な状況だったからこそ、この仲間たちは結束が固いんだろうなと思う。
思い出話は延々と続き、これからも何らかの形で支援に携わることを約束して解散。みんなの笑顔は、篠山の宝だと思った。(森田靖久)