「黒井おどり」

2013.05.18
未―コラム記者ノート

 春日文化ホールで開かれた、春日郷土民踊保存会の「春日民踊のつどい」を取材した。プログラムの最後は「黒井おどり」。春日町を中心に、今も踊り継がれている民踊だ。地元の盆踊りや、小学校の運動会などでも踊られている。
 同保存会の竹村重雄会長によると、確かな資料はないが、黒井おどりは戦国時代が起源だという。黒井城主の赤井悪右衛門が、明智光秀の丹波攻めをはじめとする戦で勝利を重ね、勝つたびに領民が輪になって手拍子を打って踊り、祝ったのが始まりとか。踊りや音頭の歌詞には、兵主神社に寓居し、棒術使いだった「笹部某」が深くかかわっているらしい。現在も黒井おどりの中には、棒術で使う足さばきが取り入れられている。
 13歳の悪右衛門が、金色の貂(てん)を退治したという武勇伝が歌詞の内容。歌詞の中には「のほははんか えへへんよ」と出てくるが、これは民衆の笑い声を表していると考えられ、なんともかわいらしい。
 最近では運動会で踊る小学校も少なくなり、少し寂しいが、400年以上たった今でも地域に深く根付いていることに感動した。(田畑知也)
 

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