特定外来生物の排除活動を篠山市の大山地区で展開しているNPO法人「大山捕獲隊」が、駆除してきた数多くのアライグマたちの魂を鎮めようと、同市追入の大乗寺で初めての慰霊祭を開いた。祭壇にはアライグマのために作られた位牌が置かれ、それに向かい念仏を唱える住職と、合掌する同NPOメンバーら。森深い境内に低い読経が響き渡り、辺りは厳かな雰囲気に包まれた―。
「アライグマに罪はない。ペットとして飼われ、飼い主が飼いきれずに野山に捨てた個体が環境に適応し、繁殖し続けた結果、今のさまざまな問題を引き起こしている。これは人災だ」と訴える同NPOの西牧正美理事長。命の大切さを知りながらも殺生をしなくてはいけない活動を日々続けている団体の存在を多くの人に知ってもらいたい。
「かわいい」や好奇心から、さまざまな生きものを飼おうとするが、飼えなくなったら野に放つ。この思慮に欠ける行動が、生態系に重大な結果をもたらすことに気づかなくてはいけない。飼育に最後まで責任が持てないようなら「飼ってはいけない」のだ。(太治庄三)