冬の日のひと時

2013.12.21
未―コラム記者ノート

 弊紙正月号に向けての慌ただしい編集にようやくめどがつき、久々に休日らしい休日となった先日。沸騰しかけていた頭の中をクールダウンしようと、わが子2人を連れて近所に散歩に出掛けた。
 季節は確実に冬へと向かい、紅葉を終え落葉した木々にとって代わり、路傍や林縁にはやたらと赤い実が目立つ。カラスウリがチャボの卵大の真っ赤な実をぶら下げている。早速、子どもの目の前で実を割ってみる。中からは粘液質の汁があふれ出し、さらにカマキリの頭部にそっくりの黒い種子が飛び出す。「うげー」と顔をしかめ、不評だった。
 続いて地を這うようにして茂るフユイチゴを発見。「食べられるで」と子どもたちにすすめても躊躇して食べようとしないので、1つ口に含んでみる。と次の瞬間、子どもたちも競うようにして口の中に放り込んだ。「甘酸っぱいな」と言うと、「むっちゃおいしい」とこたえる。私が口の中に残った小さな種を「ブッ」と吐き出すと、子どもたちも「ペッ、ペッ」と慌てるようにして吐き出した。
 わが子とも自然とも、久々にじっくりと向き合えた冬の日のひと時。(太治庄三)
 

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