2月9、11の2日間、たんば田園交響ホール(篠山市北新町)で開かれた「ささやま市民ミュージカル」を取材した。職場に舞台関係者がおり、「感動で絶対泣きますよ」との触れ込みだったが、「この私がミュージカルを観て泣くなんて絶対にありえん」と高をくくって、いざ観賞。とどのつまりは「あっさり泣きました。いやぁミュージカルって、本当にいいもんですね」―。
第6回目となる今回の上演作品は、イギリスのオスカー・ワイルド原作の童話「しあわせの王子」。宝石がちりばめられた王子の像と1羽のツバメが優しい感情を持ち、貧しい人々を救おうとするストーリー。6歳から58歳までの45人が出演され、アマチュアとは思えない演技力は圧巻だった。舞台美術も照明も美しかった。
私も中学時代、学校祭で中国・唐時代の短編小説「杜子春(とししゅん)」の準主役の仙人を演じたことがある。しかし、あまりの大根役者ぶりに会場から失笑を買い、以来、人前で芝居をすることがトラウマになった。そんな私の目には、舞台でいきいきと演じられていた役者の皆さんの姿がやけにまぶしく映った。(太治庄三)