23年ぶりの自転車

2014.06.05
未―コラム記者ノート

 就職後、初めて自転車を買った。遠い昔、片道24キロを漕いで高校まで通っており、自転車を漕ぎながら英単語を覚え、マンガを読み、車が少ない道では自転車に乗りながらおはしを使って弁当を食べたりもした。「高校時代に一生分乗った」と、昨今の自転車ブームも無縁と思っていたが、ひょんなことから気が変わった。
 タイヤは、「メイド・イン・丹波」。丹波市氷上町石生のパナソニック・ポリテクノロジーが製造する「パナレーサー」を履いている。自分には競技用の車体は荷が重い気がして、手軽なまち乗りタイプにした。
 自転車の性能を試そうと、「青垣峠」と「播州峠」を連日走った。国道429号を青垣町大名草から朝来市生野町へ抜ける青垣峠は、車でも年に1、2度しか通らない狭い山道。上り坂が延々続く悪路。必死で頑張ったが、半分ほどで漕げなくなり、車体を押して歩いた。ヘトヘトになった。多可町加美区へ抜ける播州峠は、越えることができた。
 会社から自宅まで約24キロ。1度自転車で帰ってみよう。高校時代は1時間半ぐらいかかっていた。41歳の今は何時間かかるだろう。(足立智和)
 

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