近頃、休日のたびにオートバイの隊列を見かける。革ジャンをビシッと着こなし、大きなバイクにまたがって駆け抜ける姿は圧巻だ。しかしヘルメットを脱いだライダーを見てみると、白髪混じりやピカリと光る頭の人が実に多いことに気づく。「中年ライダー」。私も最近その仲間入りを果たした。20歳から30代半ばまでバイクに乗っていたが、仕事が忙しくなり疎遠になっていた。この私のように久しぶりにバイクに乗る人を「リターンライダー」と呼ぶらしい。
今、この中高年リターンライダーの死亡事故が急増していると、読売新聞が報じていた。記事によると、昨年、全国のバイク(50超)事故死者465人のうち40、50歳代が170人と4割近くを占め、2003年と比べて倍増。初めて若年層を上回ったという。体力や反射神経の衰えを自覚していないことが事故要因の一つのようだ。
42歳の私ですが、バイクにまたがると攻撃的になってしまうのは昔とまったく変わらない。しかし今は2児の父親。「あの頃とは違うのだ」と、心にブレーキを利かせて走る今日この頃。(太治庄三)