意識の転換を

2014.08.23
未―コラム記者ノート

 丹波市市島町や春日町、氷上町の一部などに甚大な被害をもたらしている豪雨による土砂災害。復旧に向けて、重機やボランティアによる作業がスタートしているが、元の姿に戻る日は遠い。
 取材させていただいた住民も、地域外の住民も、誰もが同じ一言をつぶやく。「まさか」。私自身、一報が入った時は同じことを思った。
 この言葉の裏返しは、「油断」。こんなことは起きないだろう、ありえない―。東日本大震災でも「まさか」の結果として、悲惨な被害が起きた。
 私たちは無意識に過去の出来事と比較して今を見ている。経験に学ぶことが重要な時もあるが、時として、その予測が裏目に出ることがある。
 住民も行政も、意識の転換を図るべきではないか。これまでと同じと思っていては危ない。予測を超える大雨は降る、裏山は崩れる、川は土石流が襲う。そう考えておくことでしか、本来の防災は機能しない。
 また雨が降ると予報されている。どうか、今から備えを。いつもと違うと思えばすぐに避難を。次に被害が出るのは、どこかわからないのだから。(森田靖久)
 

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