地域医療の講演で北海道オホーツク地域の中核、北見市へお邪魔してきた。同時刻開催の冬の大イベント「厳寒の焼き肉まつり」(氷点下10度前後のなか、広場で千数百人が七輪を囲んで焼き肉をする)に行かなかった、関心が高い人に話を聞いてもらった。
打ち上げに連れて行ってもらった居酒屋でのこと。「相生産生ガキ」と「サロマ湖産酢ガキ」があった。「兵庫から来た。せっかくの機会なので相生産じゃなく、ご当地サロマ湖産の生ガキを食べたい」。愛想のいいアルバイト女性に、大将に聞いてもらった。
退店の際、その女性から「兵庫のどこからですか」と声をかけられた。「丹波です」と言うと、「えっ!私篠山ですよ。ほら」。名札には「兵庫産 あさみ」と書いてあった。「何でオホーツクに?」。北見工業大の3回生だった。「時々ウェブで丹波新聞の記事見てますよ」と言ってもらえ、うれしかった。
世界のへき地に住む日本人を訪ねるテレビ番組があるが、丹波人も、国内外、思わぬ所で暮らしているんだろうな。各地の暮らしを新聞紙上で伝えてもらうのも、おもしろいかもしれない。(足立智和)