2018年度の開院をめざす新しい県立病院の統合再編基本計画が、県民意見の募集を経てまとまった。20人から39件の意見が集まった。「今後検討する」と県が回答したのが10件。交通安全、浸水対策が多く、跡地利用の活用に関する意見もあった。開院に間に合うよう早急に関係部局と調整が必要だ。
51ページある計画に「住民」が数回しか出て来ない点が気になっている。患者だけでない、病気になる前の「住民」が、窮地に陥った地域医療を支えたのが丹波地域だ。
県立柏原と柏原赤十字の統合再編を提言した「あり方検討会」では、議論の中で、「住民の支えは丹波地域の特長だから強く打ち出した方がいい」と学識経験者委員から意見が出され、最終報告書に「医療を大切にする地域住民の取り組み」と項目を立てて盛り込まれた経緯がある。
住民、医療者、行政が手を携え、良い地域医療提供体制が構築されるよう、県には聞く耳を持ってもらいたい。適正受診は必要だし、若手医師の教育への協力など、住民、地域の支えは、今に増して必要になるのだから。(足立智和)