悔しさと悲しさ

2015.04.29
未―コラム記者ノート

 15―17日、丹波新聞社が企画し、読者約20人に参加いただいた「福島の視察・応援ツアー」に同行取材した。
 連載にも書いたが、福島原発の排気塔が見える国道6号線。持っていた放射線測定器の数値は、まばたき数回の間で上昇を続け、最終的に「9・64マイクロシーベルト」まで上がった。篠山市の約160倍。けたたましく鳴った電子音が今も耳にこびりついている。
 国の基準値「0・23」と比べても圧倒的に高い。「ここはいてはいけない場所。早く帰れ」と、頭の中で自分の声の警告が響いていた。
 福島から帰宅後、東京の首相官邸に放射性物質を積んだ小型無人機が落ちていたことが報道された。さらに、池袋の公園には何かが埋まっていて、「480」という尋常でない線量を出していることもわかった。
 福島では、原発周辺を故郷とし、家に帰れない人たちに会った。篠山並みに線量が低いのに、風評被害に遭っている人たちにも会った。
 福島を思い出し、東京の報道にふれ、悔しさと悲しさが募った。(森田靖久)
 

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