世界文学から

2015.09.05
未―コラム記者ノート

 「誰がために鐘は鳴る」や「阿Q正伝」など、一度は読まなければならないと感じながらも手が出なかった世界の名著。仕事の合間に読破しようと思い立ち、古書店で「世界文学全集」を購入した。
 辞書のように分厚い本が合計46冊。30年以上前に出されたものなので、1冊の単価は数十円とお得だった。書棚に押し込むと、それだけでいっぱいになってしまい、見た目とその中に描かれた膨大な物語に圧倒されている。
 何気なく手に取ったエドガー・アラン・ポーとダンテからスタートしたが、難解な文章を読解するのに手間取っている。
 ただ、名著と言われるには理由があった。どの話も読後には脳を揺さぶられるような感覚がある。おもしろいもの、考えさせられるもの。難解ではあるが、文豪たちが読者に思いを伝えようとして描いた物語だからだろう。
 フィクション、ノンフィクションの違いはあれど、私も字と戦う仕事。より読者に伝わる記事を書くために、全集から何かヒントが得られればいいのだが、読了するころには定年になっていたりして。(森田靖久)

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