3月末で閉校する篠山産業高校丹南校の最後の卒業式を取材した。同校とは何かと縁が深かったこともあり、感慨もひとしおだった。
私は、記者になる前、ささやまの森公園の職員だった。同校の教育の特色でもあった、地域の自然や里山の知識、技能を学ぶ学校設定科目「里山文化」が2007年に開講した際、講師という立場で1年間、授業に携わった。その後、記者となってからも同校は私の担当校となり、関係は続いた。
最後の年となった今年度は特に、今までお世話になった地域に感謝の意を表そうと、活発にボランティア活動を展開。時間が許す限りその取材に出向いた。生徒たちは、「どうせ最後だから」といじけることなく、「最後だからこそ、有終の美を飾ろう」と、いきいきと活動に取り組んでいた。その姿がまぶたの裏に焼き付いている。
就職に進学と、それぞれの道を歩み出した29名の卒業生たち。社会で大きく羽ばたいてくれることを期待し、将来、その活躍ぶりを取材させてもらう、そんな日がやってくることを願っている。(太治庄三)