3月末、生まれて初めてインフルエンザにかかった。今シーズンの流行も終息に向かいつつあるときで、「まさか」だった。40度近くまで熱が上がり、ずっと寝ているほか何もできなかった。
初めは少し悪寒がしたぐらい。その日は気温が高く、寒気がするのはおかしいとは思ったが、風邪でも引いたかもしれないとしか考えていなかった。時間が経つにつれて、みるみる寒くなり、体温計を使わなくても高熱が出ているのがわかるほど体がほてっていた。結局、インフルエンザA型と診断され、一週間近く寝込んだ。
高熱もしんどかったが、何よりつらかったのはインフルエンザにり患しているかどうかの検査だ。柄の長い綿棒を鼻の中に入れて粘膜を採取するのだが、これがつらい。「どこまで入れるんだ」というほど奥まで入れられる。ただ、必要な検査なので仕方ない。
「かかるときはかかる。仕方ないよ」と優しい声をかけてもらうこともあったが、予防接種を受けていなかったので、何とも肩身が狭い。次の冬がやって来るころには、今度こそ注射を打っておこうと思う。(田畑知也)