マムシにご注意

2016.07.14
未―コラム記者ノート

 夜、会社から帰宅し、玄関の扉に手を掛けたその時、足元をシュルルーと横切る物体があり、あの特徴的な銭形模様が目に飛び込んできた。「マムシだ!」。体長60はあっただろうか。場所が場所だけに、「捕まえなくては」とあたふたしている私を横目に、玄関向かいの土塀に開いた穴の中へと姿を消した。
 マムシによる咬傷被害者は年間約3000人にものぼり、そのうち死亡するケースは平均10人程度という。毒成分は出血毒で、咬まれると、激しい痛みと皮下出血を伴い、かなり腫れあがる。ハブよりも強力な毒とされるが、注入量が少ないため死亡事例は少ない。
 私たちの身近にはマムシのほかにもヤマカガシという毒ヘビがいる。マムシの毒牙が最前にあるのに対し、ヤマカガシは一番後ろにある。なので、よほどしっかり咬みつかれない限り毒の注入はないが、1972年と84年に中学生の死亡事故が起こっているのであなどれない。
 ヘビは秋の終わりごろまでが活動期。山の中や草むらなど、ヘビがいそうな場所を歩く際には、長靴を履くなどの安全対策を。(太治庄三)

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