お盆休みに家族でオートキャンプに出掛けた。それぞれのキャンプサイトには流し台とAC電源が付いていて、さらには温泉施設まであるという至れり尽くせりのキャンプ場だった。20代のころ、北海道の大雪山や知床半島で約1カ月間テント生活を送り、またある時は、バイクにまたがり各地の山野で寝泊まりしてきた“野宿の鬼”を自負する私にとっては、「オートキャンプなんぞ、ままごとのようなもの」と馬鹿にしていたが、いざ経験してみると快適そのもので、実に楽しいではないか。
扇風機を回しながらの焼肉に舌鼓を打ち、温泉に浸かってリフレッシュ。夜は花火を楽しみ、満天の星空を眺めた。興奮冷めやらぬ子どもたちは、夜遅くまではしゃいでいたが徐々にトーンダウン。やがて周りから聞こえてくるのは虫の声だけになった。
寝袋の上で仰向けになり、幼いころ家族で毎年出掛けていた野趣あふれるキャンプでの出来事を思い出し、思わずにんまり。今回の快適過ぎたキャンプの中でも子どもたちの心に何か一つでも思い出が刻まれていればうれしいのだが。(太治庄三)