丹波市青垣町大名草の足立広司さんが、けがしたレース鳩を保護し、引き取りに来た飼い主が、足立さんになついた鳩の姿に「こんなに大事にしてもらえるのならここで飼ってほしい」と、託して帰って行ったという話を丹波新聞9月8日号で書いた。
飼い主の捜索依頼がうちに来た。足環があり、インターネットで調べ、飼い主を探し出し、足立さんと引き合わせた。別れのはずが一転、譲渡される場面に立ち会い、初めての訓練で放鳥した際に行方不明になったこと、血統的には優れていることなど「鳩の身の上話」を一緒に聞いた。
その鳩が12日に逃げた。元の飼い主は別れ際に「産まれた場所に戻るし、ここでの飼育期間は短いので、放すと帰って来ないと思う」と言った。戻っては来ないだろうと、元の飼い主に事情を説明しようと足立さんが思案していたその時、何と戻って来た。生涯2度目の外出は、迷子にならなかった。
そう言えば、元の飼い主はこうも言っていた。「犬と一緒で、エサを与えてかわいがることですよ」。うーん、生き物は大事に飼うものだなぁ。(足立智和)