「昔の名前で出ています」という歌謡曲がある。古い歌だが、「記者一年生」というタイトルで書いた30数年前を思い出しながら、久しぶりにコラムを書かせてもらった。
ネタになる話はないものかと探していたところ、氷上高校3年生が地元企業に提案したスイーツが商品化されたというニュースを耳にした。
商品化に向けた発想が面白かった。黒豆や栗のようにもっと普及したかったというブルーベリーをふんだんに使った「モンブラン」。酒粕を使ったカップケーキの名前は、「酒ちゃうぞ」。ノンアルコールの酒粕入りケーキで、子どもにも親しまれる酒製品を作りたかったという。「酒ちゃうぞ」は、酒でないことと、酒粕が裂けやすいをかけた。おいしさとユーモアのエッセンスをたっぷり含んでおり、「さすがに高校生。固い頭では思いもつかない」と感心した。
起業経営の授業で商品開発を学び、卒業間近に開花させた。柔軟な発想力は地域や企業の戦略のヒントになりそう。地域に開かれた高校のイメージアップにもつながる。売れ行きが気になる。「郷土愛伝える学び実を結ぶ」(臼井 学)